【最終更新日:2019年4月10日】
日本では3月29日から公開が始まった「レゴ・ムービー2」。
世界中で絶賛された前作「レゴ・ムービー」の正統な続編です。
子供も大人も楽しめた前作から5年、新しいレゴ・ムービーはどのような映画なのでしょうか?
この記事では、映画「レゴ・ムービー2」をレビューしながら、僕自身が楽しんだポイントを紹介していきたいと思います。
すでにご覧になった方や、これから観る方に少しでも役に立てば嬉しいです!
※前半はネタバレなし、後半からはネタバレありとなっています。
【大人も子供もオススメ】映画レゴ・ムービー2のレビュー感想と楽しみ方
目次
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映画の概要とあらすじ
最初に映画の概要と簡単なあらすじをまとめます。
原題:The Lego Movie 2: The Second Part
製作国:アメリカ(2019年)
日本公開日:2019年3月29日
監督:マイク・ミッチェル
あらすじ
ブロックシティが襲われた事件から数年後、街の秩序が崩壊し荒んだ世界。
いつも明るくちょっぴりおバカなエメットの前に現れたのは、謎の宇宙人。
ルーシーと仲間たちを連れ去ってしまった!
仲間と”フツー”の日常を取り戻すため、誰よりごく”フツー”なエメットは超フツーじゃない宇宙へ?!またもや”選ばれしもの”になったエメットの戦いは、前代未聞の領域へ!
ヤバいクイーンが支配する”すべてがミュージカル”な惑星で一体なにが起こるのか?
アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた”Everything is AWESOME!!”を超えるスペシャルな楽曲にも期待大。
すべてがもっとサイコーになったギャラクシーアドベンチャーの襲来だ!
(公式HPから引用)
レゴ・ムービーのシリーズは、レゴ・ブロックで創られた世界を舞台にした長編映画で、今回のレゴ・ムービー2はその第2作です。
第1作のレゴムービーは2014年に公開され、海外の批評家や映画批評サイトでも非常に高く評価された映画でした。
その理由は、誰もが知ってるレゴの世界で、大人にも子供にも届く深い映画だったからだと思います。
レゴを使ったドタバタ冒険物語でありながら、「特別な存在になろうとする欲求」や、「子供のクリエイティビティとの向き合い方」などを描き、大人にこそ響く映画になっていたのです。
そんな大成功した前作の続編ともなると、期待値は大きく上がってきますよね。
最初に、今作「レゴ・ムービー2」の率直な感想を言うと、「なるほど!」と思える、このシリーズのコンセプトを引き継ぎ上手く拡張した順当な続編映画になっていました。
前作に感動したファンの方々も楽しめる出来だったと思います。
なので、ハッキリと言っておかなければいけません。
それは「絶対に前作を先に観るべき」ということです。
前作のラストでは、「続編に続く…」という感じで終わりましたが、今作はそのエンディングの後の話からスタートします。
前作を観た方ならご存知の、あの”驚きのオチ”の続きから始まるのです。
1作目が映画として非常に高く評価されている一番の理由は、全てのつじつまを合わせる終盤の”どんでん返し”があってこそだと思いますが、今作ではそのことを”観客が知っている”という前提で話が進みます。
なので、前作を観る前に今作を観てしまうと、前作の大切な部分のネタバレになってしまうので、まずは最初に第一作を観て、それから今作を観ることを強くオススメします。
今作も前作同様に、子供だけでなく大人、特に何かモノづくりをしている大人こそ楽しめる映画だと思います!
前作をバッチリ観た後で、今作を楽しんでください!
超オススメの前作のレビューはこちらにまとめています♪
【レゴの知育にもオススメ】映画レゴ・ムービーの感想と最高な理由を5つ紹介!
見所① 映画のテーマがよい
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、「時代の変化の中で自分らしさを探しながら、価値観の異なる他人を理解し、協力していくストーリー」だと思いました。
前作のテーマ曲は「すべてはサイコー!Everything is awesome!!」でしたが、今作では少し違います。
「すべてはサイコー!!じゃない。でもすべてがサイコーでなくてもいい。それにサイコー!!を目指すことはできる!」
他人と理解を深めながら一緒にサイコーを目指すことの大切さをテーマにしたレゴの世界の冒険物語です。
見所② パロディと小ネタが楽しい
前作と同じように様々な映画のパロディがたくさん登場します。
バットマンやスーパーマンを中心にDCコミックのキャラクターのパロディが笑わせてくれます。
オリジナルの映画では出来ないようなシーンが登場するのは、レゴを使ったこの映画ならではの魅力です。
普段たくさん映画を観ている人は特に楽しめると思います!
ただ、逆にこのパロディの元になっているオリジナルの作品を知らないと、少しダレてしまうかもしれません。
僕はあまり映画を普段から観ないこともあって、正直パロディの多いシーンはちょっと楽しみきれませんでしたが、これは人それぞれだと思います!
見所③ エンドロールが楽しい
今作のエンドロールは素晴らしい内容でした。
映画を作ったクリエイターやデザイナーを楽しく称えていて、音楽と映像がマッチしていてサイコーの出来でした。
特に、「誰かと一緒に作ればこんなモノだって出来る!」という実例が次々と紹介されているのはレゴファンには必見だと思います!
レゴ・ムービー2予告編
予告編のリンクを貼っておきます。
レゴで作られた世界を舞台に、カワイイミニフィグのキャラクターが音楽に合わせて楽しく動いています!
音楽の出来がいいのも今作の魅力の一つだと思います。
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以下ネタバレあり
親子の関係性から兄妹の関係性へ
前作は、「おしごと大王」と「主人公のエメット」を通して、父と子供の関係性が一つのテーマでした。
尊敬している父親に理解されず寂しい気持ちを抱いていた男の子のフィンは成長し、今作では妹のビアンカとの関係性が描かれます。
成長した兄のフィンは男らしさに憧れ、強い者が支配する世界観を夢見ているのですが、幼いビアンカは「お兄ちゃんと一緒に楽しく遊びたい」という気持が一番です。
この二人の価値観の違いがレゴの世界でのハチャメチャな冒険として描かれ、最後はレゴの世界に「アルママゲドン」が襲来するという展開になります。
このように、成長していく兄と子供らしさ全快の妹の価値観の違いを通して、兄妹の関係性や異なる価値観を持つ相手とどう向き合うかというのが一つのテーマになっていました。
僕は映画の中のフィンのように妹がいましたので、フィンとビアンカを観ながら、つい昔を思い出していしまうストーリーでした。
一緒にレゴで遊んでいても、年齢や性別が違うと遊び方が全然違うんですね。
その違いを理解できず、妹の作ったレゴを勝手に組み替えたり壊したりしたものです。
映画の中でメイヘム将軍が、可愛らしい女の子の素顔を隠して、SF要素のあるヘルメットを被っていましたが、お兄ちゃんと一緒に遊びたくても正直な気持を表現できない妹そのもののようで少し切なかったです。
映画の終盤のフィンのような振る舞いができていたら、と今更になって思いました。
前作公開時に5~6歳だった子供たちの中に、今では妹や弟がいるケースも多いのではないでしょうか。
「前作で君たちが抱いた気持ちを、今は他人に持たせてしまっていないかな?」
そんな感じで、上手にメッセージを届けている映画だと思います。
時代の変化とどう向き合うか
前作で描かれたレゴで作られた都市ブロックシティは、デュプロ星人に襲われボロボロシティという廃墟のような街になってしまいます。
この荒廃した街で生活するキャラクターは時間が経つにつれ気持ちも荒んでしまっていました。
主人公エメットのガールフレンドであるルーシーは、この世界の変化に順応し、ワイルドでタフ、そして少し冷たい性格になっています。
一方で主人公のエメットは、世界が荒廃しても、何も変わらず、能天気な生活を送っています。
時代に順応したルーシーがどこか人間らしさを失っているように描かれているのに対して、時代の変化に取り残されたエメットは幸せそうに描かれているのです。
二人の関係性を通して、「時代の流れや社会の変化の中でどう生きるべきか?」ということを問いかけているように思います。
映画の中でルーシーは何度もエメットに「タフになって」と言っていました。
そして、レックスに会ってからエメットは「男らしさ」を追い求めていきます。
またルーシーも、本当はカラフルな髪の毛を黒く染めて「ワイルドガール」としての自分を作っていたことが明かされます。
ルーシーの黒い髪の毛の色は前作からなので、もしかしたら、バットマンに相応しい彼女になるためにしたことだったのかもしれません。
ミニフィギュアシリーズのルーシーが本当の姿?
周囲の人間や、特に好きな人に求められる「自分像」を追い求め過ぎると、「自分らしさ」を失うことがありますよね。
一方で、「自分らしさ」だけを誇示しても、周囲の人達に理解されるのはムズカシイ。
この辺りのバランスについて考えさせられる内容でした。
レゴ・ムービー2のミニフィギュアシリーズはこちらにまとめました!
【レゴのミニフィグ紹介】レゴ ムービー2のミニフィギュアシリーズをレビュー
理解と協力
監督は、『シュレック フォーエバー』や『トロールズ』で知られるマイク・ミッチェルが務めました。
前作の大ファンだという彼は、今作について「理解と協力」がテーマだと言っています。
「遊びでも仕事でも、他の誰かと一緒にやる方が創造性と楽しさが飛躍的に増え、自分の世界も広がる。」
彼の言葉の通り、この映画はレゴ・ブロックがそうであるように”繋がること”の難しさや楽しさ、可能性を描いています。
レゴ・ブロックで作られたカラフルな世界でのドタバタ冒険を描きながら、誰もが悩み考えることのある多くのテーマを描いた素敵な映画だと思います。
まとめ
ここまでに書いた通り、評価の高い前作を受けて、そのコンセプトを引き継ぎつつ拡張し、続編映画として上手くまとまっていると思いました。
親子との関係から兄妹の関係に発展したので、もし次作があるとすれば、”友達とレゴで遊ぶ”ことをテーマにするのかもしれませんね。
今後の展開も楽しみです。
一方で、コンセプトが明快で届きやすかった前作に比べて、今作ではメッセージが多面的になった分、シンプルなわかりやすさはなくなったいるかもしれません。
それを、わかりづらくなったと捉えるか、奥行きや方向性が増えたと捉えるかは人それぞれだと思います。
他にも、ベニーやロボヒゲ等の前作のキャラクターがあまり活躍しなかったり、前作では触れられていた「キャッスル」や「ウエスタン」をはじめとしたレゴのシリーズが全く登場しない等、個人的に残念な点はあるのですが、映画としてまとめるために仕方なかったのもわかるので。。。
僕自身は前作の圧倒的な感動や驚きに比べると、ちょっと落ちるけど、それでもとても楽しかったというのが素直な感想です。
レゴ好きな方はもちろん、何かモノづくりに携わっている方はぜひご覧ください♪
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