【最終更新日:2019年1月13日】
レゴランド・ジャパンから入口左奥に進んでいくと、大きな城門とその向こうに青い尖塔が立ち並ぶエリアにたどり着きます。
王宮を思わせるテーマ曲が鳴り響き、レゴによって作られた騎士や兵士たちが迎えてくれるこのエリアは「ナイトキングダム」と呼ばれ、中世ファンタジー世界をモチーフにして作られています。
1978年にはじまって以来、お城シリーズやナイトキングダム、キャッスル等と名称は何度か変わりましたが、レゴの製品では、これまでずっと中世ヨーロッパの世界観を取り入れたシリーズ続いています(一時的に途絶えたことはありましたが)。
レゴランド・ジャパンのナイトキングダムのエリアは、今までのシリーズで登場したお城や砦のデザインを上手く取り入れているため、レゴのお城の中に自分が迷い込んだような雰囲気です。
さて、この「ナイトキングダム」の城壁に、色んな種類の盾が飾られていることに気づかれたでしょうか。
城門に立派に飾られている盾以外にも、門の中に入っていくと建物の壁に様々な盾が飾られていることがわかります。
ライオンや鳥、ドラゴン等が描かれたこれらの盾のデザインは、実はレゴのお城シリーズでこれまでに使われてきたものです。
今回はナイトキングダムの城壁に飾られている盾のデザインから、これまでのお城シリーズの歴史を簡単に振り返りたいと思います。
レゴランドの盾のデザインで振り返るお城シリーズのゴーストナイトとブラックファルコン
目次
ゴーストナイト(1984年~1992年)
左を向いて立ち上がったライオンが特徴の盾。
この盾を持った騎士団は1984年に登場しました。このライオンの盾を持つ騎士団はその後1992年まで続き、日本語のカタログでは「ゴーストナイト」と紹介されています(海外ではCrusaderクルセイダーと呼ばれています)。
ゴーストナイトの騎士団は1984年から1992年までの8年の間に、お城シリーズでも最大クラスのお城がいくつも登場し、一大派閥を築いていきました。
石の模様が描かれたライトグレーの城壁に勾配のないフラットな屋根や塔がゴーストナイトたちのお城の特徴で、下の写真のお城でもこれらの特徴が上手く活かされたデザインになっていると思います。
(1984年のレゴ社のカタログより)
石の模様のプリントパーツがカタログ左隅に紹介されていますね。
1990年に販売されたお城には「ゆうれい」のミニフィグが含まれており、
このゆうれいから日本語のカタログでは「ゴーストナイト」と紹介されました。
(Brickpediaより掲載)
ゴーストナイトが持っていた盾はレゴランドに飾られている赤枠に青い背景、黄色いライオン以外に色違いのものもありました。
写真の右がレゴランドに飾られているもの、左のデザインが色違いのものです。
ゴーストナイトのライオンが描かれた盾
(Brickpediaより掲載)
ヨーロッパの歴史では、イングランド、スコットランド、デンマーク、オランダ、ベルギー、ノルウェー、フィンランドなど、王家の紋章にはライオンがよく登場しまた。百獣の王として強さのシンボルだったのかもしれません。
ゴーストナイトの特徴として、レゴのお城シリーズの中でも最も人気のあるセットの一つ「6067 Guarded Inn(騎士休憩所)」のようにお城ではない民家の雰囲気を持つセットが多くあったことがあげられます。
1986年に販売された「騎士休憩所」
(Brickpediaより掲載)
2001年にLEGO Legendsシリーズの一部として再発行される最初のセットもこの「Guarded Inn」で、お城シリーズの中でも屈指の名作セットとして知られています。
ゴーストナイトのミニフィグを使った写真はこちらから。
ブラックファルコン(1984年~1992年)
白と黒のモノトーンで描かれたオシャレな鳥のデザイン。
この盾を持つブラックファルコン(黒いハヤブサ)は、上で紹介したゴーストナイトと一緒にお城シリーズの初期に登場した騎士団です。
実はブラックファルコンという名前も派閥自体も公式なものではありません。
その名前は日本では「王子さまのお城」として1986年に登場した「6074 Black Falcon’s Fortress」の英語名に由来します。
ブラックファルコンの騎士団たちは1984年に初めて登場し、ゴーストナイトと一緒に活躍しましたが、1992年を最後に姿を消しました。
ブラックファルコンはその歴史をほとんどゴーストナイトと共にしています。ただ、登場するお城や砦はいつもゴーストナイトよりやや小さく、販売されたセットの数も少なかったので、少数精鋭の騎士団だったのかもしれませんね。
小さいお城や少ない騎士団でも、ゴーストナイトと同等以上に活躍していました。
1986年に販売された「王子さまのお城」
(Brickpediaより掲載)
セットの数は少なくても、上で紹介した「6074王子さまのお城」は、多くのレゴファンがこれまでのお城シリーズの中でも最も素晴らしいセットの一つであると考えています。
黄色い壁と黒い屋根が特徴の礼拝堂のような尖塔がアクセントとなっていて、中世ヨーロッパのお城の雰囲気がよく出ています。小さいながらも素晴らしいデザインのこのお城は、後にLEGENDシリーズとして再発売されました。
(1986年のレゴ社のカタログより)
お城シリーズの中でも最高傑作と言われる「騎士休憩所」と「王子さまのお城」が一緒に映っている貴重な写真
(1986年のレゴ社のカタログより)
ゴーストナイトの方がお城が大きく、騎士の数もブラックファルコンより多いですね。
クルセイダーと同じくブラックファルコンの盾も色違いの2種類がありました。青い枠のデザインがレゴランドに飾られていますが、黄色い枠の盾も多くのセットで登場しています。
ブラックファルコンの盾
(Brickpediaより掲載)
実はヨーロッパの歴史ではハヤブサは盾に描かれた紋章としてあまり使われることはありませんでした。鳥のデザインで多く登場したのは鷲です。
ライオンと同じように鷲もまた百鳥の王として好まれ、ドイツ、オーストリア、ロシア等の帝国で多く使われました。
レゴの盾のイラストだけを見るとハヤブサなのか鷲なのか見分けるのは難しいですね。
ドラゴンの盾に込められたレゴ・お城シリーズの歴史?!
このようにお城シリーズが中世ヨーロッパの世界観を取り入れながらシリーズとして確立していった1984年~1987年くらいは、ゴーストナイトとブラックファルコンの二大勢力が活躍していました。
その後、ドラゴンが描かれた盾を持った新しい騎士団が1988年に加わり、お城シリーズは新しい展開を迎えます。
1988年に登場したブラックナイトと呼ばれる騎士団は、実はレゴランドに飾られているこの盾とは少し違ったデザインの盾を持っていて、全く同じ盾のデザインはレゴのセットでは登場していません。
それではレゴランドに飾られているこの盾のデザインはどこから来たのでしょう?
実はこのドラゴンの盾には、お城シリーズがファンタジー世界への舞台を広げていく長い歴史が込められているのです。
ここからの話は長くなりそうなので、次の記事でまとめたいと思います。
読んで頂きありがとうございました!!
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