【最終更新日:2019年9月6日】
名古屋のレゴランドの人気エリア「ナイトキングダム」に飾られた盾を通して、お城シリーズの歴史を紹介するシリーズ記事。
レゴランドの建物や小物に隠されたレゴの歴史を知ることで、もっとレゴランドを楽しんでもらえたらと思って始めたこのシリーズで、前回はお城シリーズの初期に登場したゴーストナイトとブラックファルコンを紹介しました。
今回は2回目、このドラゴンの盾についてのお話です。
レゴランドのナイトキングダムに飾られたドラゴンの盾。
ナイトキングダムに飾られた他の盾はみんな過去のレゴのセットで登場しているのに、このドラゴンの盾だけそうではありません。
青い枠に黄色いベース色、そして赤い羽根を持つ緑色のドラゴン。この盾のデザインだけが、そのままの形でお城シリーズに登場したことがないのです。
今回はこのドラゴンの盾に注目して、レゴのお城シリーズが中世ヨーロッパからファンタジー世界までその世界観を広げていった歴史を紹介しようと思います。
レゴランドの盾のデザインで振り返るお城シリーズのブラックナイトとドラゴンナイト
目次
ブラックナイト(1988年~1994年)
クルセイダーとブラックファルコンが活躍していた時代に変化が訪れたのは1988年、ブラックドラゴン城を拠点とする新しい騎士団が登場したのです。
ブラックドラゴン城は黒い城壁で、これまでのグレーの城壁のお城とは雰囲気が違います。
1992年に登場した「ブラックナイト城」でもこの特徴的な黒い城壁を見ることができます。
1988年に登場したブラックドラゴン城
色が少し違いますが、騎士たちがドラゴンの盾を持っています。
(LEGO社のHPから掲載)
実は中世ヨーロッパのお城で、黒い城壁はとても珍しいのですが、「ブラックドラゴン城」、「ブラックナイト城」ともに雰囲気が素晴らしくお城シリーズの傑作として考えられています。
それでは、ブラックナイトの騎士団の持っている盾に注目してみましょう。
1992年に登場したブラックナイト城
騎士たちの盾や兜の飾り、大きな旗はドラゴンがシンボルになっています。
彼らの新しい居城「ブラックナイト城」が販売された1992年以降、馬に乗ったブラックナイトたちは大きな楕円形の盾を持ち、そこにはドラゴンが描かれていました。
騎士たちの兜にはドラゴンの形の羽根がついていて、さらにはお城の旗や船の帆にまで描かれたこのドラゴンが、ブラックナイトのシンボルだったのです。
1992年に販売されたブラックナイトの帆船。
お城シリーズで最大のこの船の帆や船主の飾り、盾にはドラゴンが見えます。
(Brickpediaより掲載)
盾の大きさによってベースの色が違いますが、その歴史を通してブラックナイトの盾に描かれていたのはいつも青いドラゴンでした。青い枠に青いドラゴン。
一方、レゴランドの盾に描かれているのは青ではなく緑のドラゴンで、似ているようで違うのです。
ブラックナイトの盾
初期の騎士や歩兵が持っていた左のデザインと、1992年以降の騎士たちが持っていた右のデザイン。
特徴は青い枠に青いドラゴン。
(Brickpediaより掲載)
ブラックナイトは1988年に登場して1994年に姿を消しました。
登場してから1992年まではゴーストナイトとライバル関係でしたが、1993年に全く新しい騎士団との戦いが始まります。
緑色のドラゴンが描かれた盾を持つこの騎士団こそ、お城シリーズの歴史に「魔法」という要素を持ち込んだドラゴンナイトだったのです。
ブラックナイトがシンボルの旗を掲げているオススメ写真はこちらから。
国内とは思えない素敵な場所でした!
ドラゴンナイト(1993年~1996年)
レゴランドで最速を誇るジェットコースターアトラクションの「ザ・ドラゴン」。
このドラゴン以外にも、ナイトキングダムのエリアでは緑色の竜を様々なところでみることができます。
小型コースター「ドラゴンアプレンティス」もドラゴンがシンボル、レゴランド限定で販売されるナイトキングダムの世界観を活かしたレゴも、お城とドラゴンがモチーフです。
レゴランドのパーク内限定(通販でも買えるけど。。。)で販売されるセットの一つもお城とドラゴンがモチーフ。
ミニサイズでのお城の作り方が勉強になるし、カワイイのでオススメです。
マジックドラゴン城
(brickpediaより掲載)
1993年に登場した「マジックドラゴン城」。
青い尖がり帽子に暗闇で光る魔法の杖、白く長い髭という全て新パーツで身を包んだ魔法使いがこのお城の支配者です。
空からブラックナイトと戦うドラゴンマスター
(レゴ社のカタログより)
ドラゴンマスターと呼ばれるこの魔法使いは、その名前の通りにドラゴンを自在に操り、ドラゴンの背に乗って自由に空を飛び、自らブラックナイトたちと戦っていたのです。
ちなみに、ナイトキングダムのアトラクション、「Merlin’s Flying Machines(マーリン・フライング・マシーン) 」のモチーフはもちろんドラゴンマスターの帽子です。
ドラゴンマスターに率いられたドラゴンナイトのセットでは、これまでのお城シリーズが騎士中心のセットであったことと異なり、主役はドラゴンでした。
騎士たちがドラゴンを載せたカーゴを護衛するセットまでありました。
ドラゴンを載せて運ぶ馬車のセット
(brickpediaより掲載)
ドラゴンに乗って空を飛ぶドラゴンマスターを地上から応援する騎士団たちの盾には、彼らの象徴とも言える緑色のドラゴンが大きく描かれていました。
ただ、レゴランドに飾られている盾とは違い赤い枠だったのです。
ドラゴンナイトの盾
赤い枠に彼らのシンボルである緑のドラゴン。
(Brickpediaより掲載)
1993年にドラゴンと一緒に派手に登場し、お城シリーズを剣と魔法のファンタ―ワールドにさせたドラゴンナイトでしたが、その歴史は意外にも短く1996年には終わってしまいました。
ドラゴンマスターのかわいい写真はこちらにまとめています♪
ドラゴンの盾を持った騎士団たち
青い枠に青いドラゴンが描かれた盾を持ったブラックナイト。赤い枠に緑のドラゴンのドラゴンナイト。
この二つの盾とレゴランドに飾られた盾を比べると、レゴランドの盾は上手に二つの盾を混ぜ合わせたデザインになっていることがわかります。
ブラックナイトたちは黒い壁という中世ヨーロッパにはあまりなかった特徴を持ち込むことで、お城シリーズに独自のおとぎ話的な世界観を持ち込みました。
そして、その後に続いたドラゴンナイトは、魔法やドラゴンと一緒に登場しファンタジー色をお城シリーズに加えることで、中世ヨーロッパの雰囲気から「レゴのお城シリーズ」独自の世界観を確立させたのです。
レゴランドに飾られたドラゴンの盾には、そんなレゴの歴史が現れていると言ってもいいかもしれませんね。
さて、次回の完結編ではレゴランドに飾られたもう一つの盾について紹介します。ライオンが正面を向いたこの盾と一緒に登場したのはどんな騎士たちだったのでしょう。。。。?
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