アクションフィギア等のオモチャを、まるで動いているように撮影するオモチャの写真、略して「オモ写」。
レゴのミニフィグやアクションフィギュア等を家の中でオモ写した写真は、twitterやインスタグラムでよく見かけます。
最近はこれらのオモ写行為を屋外で楽しむ人たちも増えてきて、オモ写の世界でも新しい表現の可能性が模索されている感じです。
このように、様々な撮影方法が出てきているオモ写の世界ですが、オモ写の夜景写真はtwitterやインスタグラムでもなかなか見かけません。
そこで今回の記事では、これまでに撮影したレゴの夜景写真を紹介しながら、一眼レフカメラ、ミラーレスカメラでの夜景オモ写撮影のコツを紹介したいと思います!
レゴのミニフィグやアクションフィギュアのための夜景オモ写テクニック
目次
撮影場所を決めよう
最初に、どのような夜景をフィギュアの背景に入れたいかをイメージしましょう。フィギュアの持つ世界観と背景の夜景をどう関連付けるかが大切です。
今回の記事では少しマニアックな夜景ポイント、箱崎ジャンクションを例にしたいと思います。
下から見上げるその形状は、「ヤマタノオロチ」とも言われるそうです。すごい迫力。多くのジャンクション夜景好きが魅了されているのもわかる気がします。
試し撮りをしながら安全を考えよう
場所のイメージが決まったら、フィギュアを置いて試し撮りをします。
今回の撮影場所もそうですが、屋外での撮影は車や人が通行しているので、屋内撮影のように自由にはいきません。
周囲の迷惑にならないようにしながら、同時に安全にも気を付けながら撮影することが大切です。
そのために、まず最低限のミニフィグを並べて試し撮りをし、この場所で撮影を続けたらどんな写真が撮れるかをイメージします。
イメージする写真を撮るために、フィギュアをどう並べるのか、どれくらいの時間がかかりそうか、撮影に夢中になってから周りに迷惑をかけたり、危険なことにならないかじっくり考えましょう。
この段階で「撮影が難しそうだな」と思った場合は、諦めることも大切です。
しっかりと周囲を確認し、安全にも問題がなさそうであれば、いよいよ撮影を始めましょう。
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夜景撮影がなぜ難しいのか?
撮影の方法を説明する前に、なぜ夜の撮影が難しいのかを理解しましょう。
夜景が難しいのは、「光が少ないから」、これに尽きます。
カメラは基本的に光が少ない場所は苦手です。光が少ないと、光をたくさん取り込もうとしてシャッタースピードを長くしなければなりません。シャッター速度が1秒とかそれ以上です。
1秒間、微動だにせずカメラを構えられる人はなかなかいません。これが夜景が難しい理由です。
「光が少ない」
↓
「光を取りこむために長いシャッタースピード」
↓
「その間に動いてしまってブレる」
夜景撮影がムズカシイ理由を簡単に頭に入れて、早速撮影してみましょう。
〇シャッタースピードを活かした日中の撮影テク!
【屋外オモ写テク】NDフィルターを使って通行人を消して撮影する方法とは?
初級編
夜景モードで撮影
オモ写を夜に綺麗に撮影するためには細かい設定が必要になりますが、めんどくさいのであれば、カメラのシーン別撮影モードで「夜景モード」にしてしまうのが簡単です。
これが一番簡単なオモ写の夜景の方法です。少しでも手ブレを防ぐために、身体をしっかりと固定しましょう。
大抵の機種に2~10秒のセルフタイマーがあるので、それを利用すると、シャッターを切る際のぶれも回避できます。
フラッシュはオフに!
暗いところで撮影するとカメラが自動でフラッシュを光らせてしまうことがあります。
ただ、フレッシュを使って撮影すると、背景が暗くなったり、被写体(フィギュア)が明るくなりすぎることが多いのであまりオススメしません。
まずフラッシュをオフにして撮影してみましょう。
中級編
カメラを固定しよう
最近の一眼レフやミラーレスであれば夜景モードで三脚なしでも綺麗にとれますが、可能であればカメラをしっかりを固定しましょう。
通常の夜景撮影であれば三脚を使うところですが、オモ写撮影の場合地面スレスレで撮影するケースも多いので、カメラが固定できれば方法はなんでもOKです。
今回の撮影では小型の三脚を使いました。
高さの微調整はこの日に買ったばかりの魚眼レンズの箱です(笑)
カメラの設定をしよう
夜景撮影では「光が少ない」ので、なんとか効率的に取り込むために、絞りを開ける方法で挑戦します。
絞りはF値と呼ばれいて、普通はF5.6とかF7.1のように、数字で表します。数字が少ないほど開いており、大きいほど絞り込んでいる状態です。開いている方が光を多く取り込めます。
「絞り」を意図的に設定したいので、これを可能とする「A」マークの「絞り優先モード」に設定します。
一般的な夜景に関しては、全体的にピントを合わせたいので絞り値を”F8~F11″にセットします。撮影したいフィギュアを強調したい場合は絞り値をもう少し小さくしてもいいかもしれません。
スマホのライトで照らそう
ここでシャッターを押して撮影してみます。フラッシュをOFFにしているので、もしかしたら被写体(フィギュア)が暗くなることがあるかもしれません。
そんな時はスマホのライトを直接、もしくは間接的に当てて照らしてあげると被写体が明るくなりますよ。
撮影結果
こんな感じに撮れました。なかなかよくなってきましたね。
これでもいい感じですが、せっかくなので夜景ならではの表現で撮影する方法を紹介したいと思います。
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同じ方法で撮影した他のレゴの夜景写真はこちら。
上級編(長時間露光)
長時間露光とは?
夜景ならではの撮影方法として、今回は光の軌跡を残すために長時間露光に挑戦します。
夜の車の流れがビームのようになったり、渓流がシルクのように柔らかく写ったりする写真がありますよね。これらが長時間露光で撮った写真で、目の前の光景とは違った新しい世界が広がります。
こんな感じで、車のライトの軌跡が残って未来感が出てきます。
この長時間露光ですが、撮影方法としてはシャッタースピードを遅くして撮影する方法のことです。数秒から、長いときは数分、数十分なんてケースもあります。長時間露光はシャッタースピードを遅くするため、カメラが固定されていないとブレブレの写真になってしまうので、カメラの固定は必須です。
カメラの設定をしよう
それでは、カメラの設定をしていきましょう。
①カメラをきちんと固定
②カメラの撮影モードを「シャッタースピード優先」モードに設定
③シャッタースピードを数秒に設定(仕上がりを見ながら秒数を調整しましょう)
④シャッターを押すと設定したシャッタースピードの時間の間に動いた車のライトが光の軌跡となって写真に写すことができます。
イメージ通りの明るさと色にするために、その他のカメラを調整します。明るさは露出補正で設定、全体的な色合いの調整はホワイトバランスで設定します。
被写体を照らそう
撮影した被写体が思ったより明るくない場合は、スマホ等のライトで照らして明るくします。シャッターを押してから、シャッタースピードで設定した時間の間に、スマホのライトで被写体を数秒照らします。一方向からだけでもいいですし、様々な方向から照らしてもいいと思います。
今回の撮影ではシャッタースピードを15秒、そのうち3秒くらいをスマホのライトでミニフィグを照らしました。
撮影結果
ミニフィグも明るく照らされていて、背景に残った車のライトの軌跡もいい感じです。
交差する高速道路の非日常的な風景と、車のライトの軌跡で未来的な雰囲気が出るのでは?と狙ってスペースマンのミニフィグを用意していたので狙い通りでした!
他の長時間露光のレゴ写真はこちら。
撮影に使った魚眼レンズはこちらでレビューしています♪
【オモ写レンズ紹介】魚眼レンズを使ってレゴを撮影したら新しい世界が広がっていた!
上級編-番外編(幻想的な玉ボケを背景に入れる)
キラキラした点光源を探そう
一眼レフやミラーレスカメラの魅力の一つは写真を大きくボカせることですから、もう少し工夫して夜景の背景にキラキラの玉ボケ(丸ボケ)を入れてみましょう。
まず最初に、玉ボケの正体であるキラキラした点光源を探しましょう。昼間だと晴れた日の水辺や太陽に照らされた葉っぱ等になりますが、夜景となるとマンションの窓の明かりやイルミネーションがオススメです。
絞り優先モードを選ぼう
キラキラポイントを見つけてしまえばあとは簡単、ボカすだけです。
ボカしやすいようにまずはF値を一番小さく設定しましょう。F値をコントロールするので撮影モードは「絞り優先モード」です。
ピントを合わせて撮影!
あとはピントを合わせて撮るだけですが、ピントの置き方にもちょっとしたコツがあります。それはできるだけ手前にピントを置くことです。
写真のボケは、ピントの合っている所がカメラに近く、ボカしたい所がカメラから離れていればいるほどよくボケます。キラキラポイントを遠くにして、被写体のミニフィグになるべくカメラを寄せて撮影しましょう。
撮影をしながら、写真のイメージに合わせてF値を調整していきます。
撮影結果
こんな感じです。背景の玉ボケはマンションの窓の光や信号の光です。おとぎ話に出てくるマーメイドの幻想的な世界観を狙いました。
玉ボケを背景にした他の写真はこちら。
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まとめ
今回はレゴのミニフィグやアクションフィギュア等を夜景の中でオモ写するためのテクニックを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
私自身、レゴの夜景撮影はまだまだ勉強中なのでですが、「オモ写の夜景撮影方法」等の本やネット記事が見当たらないので、今回自分でまとめてみました。
今回の記事がみなさんのオモ写撮影やカメラライフに少しでも役にたってもらえれば幸いです。
また、色々な撮影方法をみなさんで試してもらえると嬉しいです。
最後に、上手に撮れると普通のオモ写とは違う写真が撮れる夜景撮影ですが、屋外撮影は屋内とは違い危険がたくさんあります。
周りの迷惑にならないように、安全にはくれぐれも気を付けて撮影を楽しんで下さい!
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。
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今回の撮影にはソニーの魚眼レンズを使っています。