【最終更新日:2020年2月8日】
多くのレゴシリーズの中でも、圧倒的にオシャレな雰囲気の漂う「LEGO ARCHITECTURE」。
ARCHITECTUREとは日本語で「建築」のこと。
世界の有名建築や主要都市の街並みをレゴで再現し、作った後もインテリアとしてオシャレに部屋を演出できることからも、レゴファン以外からも大人気のシリーズです。
まず、箱からオシャレ。黒いボックスに赤いレゴのロゴが映えます。
(LEGO社のHPより掲載)
ロンドンを象徴するナショナル・ギャラリー、 ネルソン記念柱、ロンドン・アイ、ビッグ・ベン、タワー ブリッジを集めた豪華なセットで、ロンドンの建物がつくる美しい街並みを再現 。
街のランドマークとなる建物がコンパクトにまとまっています。インテリアとしてもかなりオシャレでカッコいい。
この「街並みを再現したモデル」は、他にもシドニーやニューヨーク、上海やシカゴ等、世界の色んな都市があります。
2020年にはついに日本の都市から東京が登場しました!
(LEGO社のHPより掲載)
近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライト設計のニューヨークにあるグッゲンハイム美術館。
ライトの最高傑作の一つとも呼ばれる美術館の特徴的ならせん状のカーブラインがレゴで上手に表現されています。
こちらのモデルは街並みではなく、「一つの有名建築に絞ったシリーズ」。
他にもエッフェル塔や凱旋門など、多くの人が知っている世界の建築がたくさんあります。
さて、そんなオシャレなLEGO ARCHITECTUREシリーズですが、このシリーズに焦点を当てたオススメの一冊があるのでレビューしたいと思います!
タイトルは「レゴでつくろう世界の名建築」。
5つのオススメポイントにまとめました!
東京もついに登場したレゴアーキテクチャーのオススメセットをこちらで別途紹介しています!
「レゴでつくろう世界の名建築」というアーキテクチャ―シリーズの本がオススメな理由とは?
目次
ページをめくると、実在する建物を対象にレゴブロックでの組み立て方が載っています。
これらの建物は、歴史的に古い順番に並んでいて、7の建築様式を題材に基本的な組み方が丁寧に載っています。
本一冊を通して建築デザインの歴史を振り返りながら、レゴブロックを使った様々な組み立て方が学べる本になっています。
こんな近代的な建築の作り方まで載ってます
建築家は構造の魔術師サンティアゴ・カラトラヴァ
さて、それでは何が特にオススメの理由なのか。
オススメの理由5つを紹介したいと思います。
普通のパーツの工夫した使い方を学べる
レゴランドにあるレゴで作られた名古屋港
同じくレゴで作られた厳島神社
「すごい!どうやって作ったんだろう?!」
レゴのビルダーさんたちが作った素晴らしい作品や、レゴランドにある日本の街並みを再現したミニランドを見た時に多くの人が思う素直な感想だと思います。
近くでよくよく見てみると、構成されているのは自分もよく知っているパーツ。
ビルダーさんたちは特別なパーツを使っているのではなく、一般的なパーツをある時は基本通りに、ある時は少し特徴的な使い方をして素敵なモデルを作っているんですね。
でも、この「普通のパーツを少しだけ工夫して使う」というが、難しいところでもあるのです。
この本のオススメな理由の一つは、この「普通のパーツの工夫した使い方」が学べるところです。
たとえば、ここではドーム屋根の建築を題材に、「丸い」ドームの形をどうやって「四角い」レゴブロックで表現するかを組み立てながら学ぶことができるのです。
丸いドームの作り方が載ってます!
他にも色んなパーツの使い方がたくさん載っているので、一冊を読み終えると、「普通のパーツを工夫して使うことで、どんな形でも作れる!」と気づかせてくれるのがこの本のオススメの理由です。
モノの特徴の捉え方を学べる
この本は、近代(過去500年)で最も重要な建築様式に絞って、「モダニズム」とか「ハイテク建築」みたいに、章分けされて構成されています。
各様式に対して1つか2つの特徴的なモデルの作り方を説明してくれていますが、各様式の建築にはそれぞれにその建築を特徴づけるデザイン上の特徴があるんですね。
その特徴というのは、例えば「丸いドーム屋根」のようにわかりやすいものもあれば、言われてみないとなかなか気づけない形の特徴もあったりします。
建築でも車でも電車でも、何かをレゴで表現する時、もしくはレゴに限らず絵やCGで表現する時、あるいは抽象的なロゴ等にする時に、「モノの特徴をいかに掴むか」ということがとても重要だったりするのです。
水平なラインが特徴というのは気づきづらい
この本では実際の建築物の形上の特徴がどこにあって、それをどうレゴを使って表現するかを教えてくれています。
「ここを押さえておけば、それらしく見える」という特徴をどう掴むのか、そんな視点を学ぶことができる点がこの本の大きな特徴です。
世界の建築の歴史を学べる
この本が建築様式ごとに章分けされていることは説明しましたが、この章ごとの説明がなかなかのレベルなのです。
その様式が発生した時代背景や、その様式における代表建築、世界的な建築家だけでなく、特徴的な建築材料や新技術、設計手法にまで紹介されていて、全部読み終えたら近代の建築史が一通り学べるレベル。
このページなんて大学の建築学科の教科書みたい
この本をざっと読んで街の建物を見てみると、「あのガラスの建物はモダニズム」、「あっちの変な形のビルはポストモダン」ってわかってしまうかもしれません。
普段見慣れていた街の建物も、建築デザインの歴史から改めて見てみると面白いですよ。レゴランドでも再現されている東京都庁の建築様式はなんでしょうか??
世界のビルダーのレゴモデルが見れて話が聞ける
作り方まで紹介しているモデルは各様式に対して一つですが、写真だけなら世界のレゴ・ビルダーが作った50近い建築モデルが掲載されています。
建物の名称や所在地だけでなく、建築設計者やレゴビルダーの名前まで載っているのも特徴。
ネットで検索すれば実際の建築写真はすぐに出てくるので、実際の建物とレゴのモデルを見比べながら、どのように特徴を掴んで再現したかをゆっくり考えることもできるのです。
巻末には世界のレゴ・ビルダーが5人紹介されています。
ここでは、彼らがどのようにアイデアを得ているのか、モデルを作る時に意識していることだけでなく、ブロックの整理の仕方まで載っています。
とにかくオシャレ
LEGO ARCHITECTUREシリーズがオシャレであることは繰り返し説明しましたが、そのシリーズを対象にしているこの本も、本としてとてもオシャレなのです。
元々が洋書で出版されていたこともあり、表紙を含めた本全体のデザインがとてもよくできています。
表紙カバーを外してもシンプルなデザインでクール。
左が表紙カバー、右が表紙カバーを外した状態。
日本語版の出版社は建築系の書籍を多く出版している会社なので、日本語のフォントの使い方も普通の本よりキレイにまとまっています。
読まない時に部屋に飾っておいてもカッコいいですね。
こちらで、オススメのレゴの本を10冊紹介しています!
どれも本当にオススメです!
さいごに
いかがだったでしょうか。
この本を一冊読めば、世界の近代建築の勉強ができるだけでなく、基本的なパーツを使って様々な建物を作るための参考になりそうです。
LEGO ARCHITECTUREシリーズでは冒頭に紹介したモデルの他に、1200以上のホワイトブロックだけのセットを販売しています。
ブロックだけでなく、組み立てのテクニックやヒント、実践エクササイズ等が272ページにわたって記載された設計事務所監修のハンドブック付き。
自作モデルを作るならチェックしてみてくださいね。
さて、最後にこの本に書かれている言葉をここで引用したいと思います。
「さあ、いよいよ、あなたの番だ。オリジナルのレゴ建築を作ってみよう。」
東京もついに登場したレゴアーキテクチャーのオススメセットをこちらで別途紹介しています!